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■リレーコラム
      〜ヘルスケア・マネジメントにおける諸問題を考える

第24回 新たな10年に向け、日本企業が取り組む組織作り(2)
玉木 昭宏(株式会社サイファ 代表取締役 / 立教大学大学院 経済学研究科 講師)

 前回は日本企業が取り組んでいる組織作りについて、「自立化」と「多様化」という2つのベクトルをご紹介しました。今回は、それぞれのベクトルを成果に導くために必要な人材要件について、 リーダーシップの観点からお話ししたいと思います。

◆自立化には垂直方向のリーダーシップ(Vertical)が必要

 前回のコラムで、自立化とは細分化され変化に富むようになった市場で、ビジネスチャンスをモノにする機動力の獲得だという主旨の話をしました。消費の成熟が進んだ市場では、顧客自身もはっきりとしたニーズ、ウォンツを 持っていないことが多く、供給側に立つ企業が提案型で顧客のニーズやウォンツを掘り起こす役割を期待されています。また、顧客の消費マインドを刺激する商品やサービスの提案が仮にできたとしても、変化に富む市場ではビジネスチャンスはほんの短い間しか続かないため、競争相手の追随をかわしながら、果実をすばやく刈り取れる行動力も重要になります。

 上記のような組織には、明瞭な成功ビジョンと“勝てる一手”を示しながら、リーダー自らが実践する姿を通じてメンバーを鼓舞・統率する、日本でもおなじみの垂直型リーダーシップが有効です。先を読む洞察力と、ここぞというときの行動力、突破力が必要ですから、人材開発にあたっては、「コンピテンシー(※)」などの理論やツールを活用して、有能なリーダーの思考や行動の特性を身近でわかりやすい具体例に落とし込み、それを社員が日々実践するなどの育成が、多くの企業で盛んに行なわれてきています。

(※)ハーバード大学の心理学者マクレランド教授(David C. McClelland)により、1970年代より研究が始まった理論。高いパフォーマンスを出す人材には、いくつかの共通した行動の特性が存在することを発見し、その行動特性を「コンピテンシー」と称した。以来、数々の研究者たちが実用化に向けて検証を進め、 アメリカでは1990年代から人事制度の一環として浸透し始める。

◆多様化には水平方向のリーダーシップ(Horizontal)が必要

 他方、性別や文化など価値観を形成するベースが多様な環境にあっても、最大限のパフォーマンスを引き出せる組織を作ることも日本企業の重要な課題です。価値観や文化の共通点が見出せない組織のなかで、メンバー間で連携を上手くとって仕事を進めるためには、他者を理解し、その多様性を尊重したうえで、影響力を発揮する水平型のリーダーシップが必要になります。

水平型リーダーシップを社員に醸成するうえで、私が関わった企業では以下の2つのことに留意して取り組んでいます。


1)他者を理解するためには、まず自分自身を客観的に見つめ、理解することから始めます。自分以外の人について、外から見えるものは唯一「行動」だけで、価値観や動機などその人の行動に重要な影響を与える要因を知ることはほぼ不可能です。そこで、まず自身を題材として、モノの見方や捉え方などの内面的な要素が自身の行動にどう影響を与えるのか、簡単なツールの助けを借りて明らかにする取り組みを、私の関わっている企業では行なっています。

2) 往々にして、自分自身のある種限定的な経験に照らした「思い込み」が、他者理解を邪魔する因子になります。たとえば、「彼はこの程度の仕事しかできない」といった先入観に基づいた仕事の与え方は、本人が本来持っている力を発揮する機会を奪ってしまうばかりか、結果としてその低いパフォーマンスを見たリーダー本人の思い込みが一層強化されるという悪循環に陥る危険性があります。

 2回にわたり、日本企業に見る組織と人材育成の取り組みについてお話させていただきました。皆様になんらかご参考になることをお伝えできたなら幸いです。


2010年3月2日
 
玉木 昭宏 (たまき あきひろ)
玉木 昭宏 (株式会社サイファ 代表取締役 / 立教大学大学院 経済学研究科 講師)

株式会社サイファ 代表取締役 / 立教大学大学院 経済学研究科 講師

著書・その他:
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